角田光代さんの『愛がなんだ』を読んだので、ネタバレありで感想を書きたいと思います。
少し前に、『愛がなんだ』の映画が話題になっていましたよね。
私はまだ本を読んだだけで、映画はまだ観れていません。
『愛がなんだ』を読んだ率直な感想としては

そらまめ
痛いけどわかる!
でした。
報われなくて、振り返ったら「なんであんな人好きになったんだろう」というような、ちょっと痛い片思いをしたことがある人なら刺さるはず。
ちなみに、私はバッチリ刺さりました!
目次
痛いけどわかる!小説『愛がなんだ』

それでは『愛がなんだ』の感想をネタバレありで書いていきます。
28歳のOL、テルコはマモちゃんが大好き。
大好きで大好きで、生活の一部じゃなくて、生活の全部になっていて、なのにマモちゃんの恋人になれない。
しずまりかえった路地を一緒に歩いて、毎日のように一緒にご飯を食べて、いっしょにどちらかの部屋に行って眠っても、マモちゃんの恋人になれない。
学生時代の女子の意地悪なんて、比べ物にならないくらい意地悪なことをされても、都合の良いように使われても、マモちゃんが幸せでいてくれることを願っている。

そらまめ
痛いけど、よくわかります
報われない片想い…しかも振り返ってみたら、その人のどこがよかったのかさっぱりわからないような、片想いをしたことがある人なら共感します
愛がなんだの衝撃的な終わり方:ネタバレ

マモちゃんに強烈な片想いをしているテルコは、マモちゃんがすみれという女性に片想いをしていることを知る。
それでも、マモちゃんの側にいたいテルコは、「マモちゃんはもう好きじゃない」フリをして、マモちゃんの友人・神林と仲良くすることを決意する。
マモちゃんと気まずくなるよりも、自分の想いにフタをしてマモちゃんと会える道を選んだ。
ダメなところを好きになっちゃったら、簡単に嫌いになれない

いいところを好きになると、そのいいところがなくなったら嫌いになるかも知れない。
でもダメなところもひっくるめて好きになってしまったら、簡単に嫌いになれませんね。
自分も含めて、恋愛で執着してしまう相手って、周りの人に「えーどこがいいの?やめときなよ」と言われる人が多い気がします。
「めっちゃいいやん!最高の人やん!」と言われるような人に、執着している人をあまり見た事がありません。
片想いのゆくえ

片想いのゆくえは
- 相手も自分を好きになってくれるように頑張る
- 諦める
- ずっと片想いでいる
のどれかですよね。

そらまめ
桃色の片想いしちゃえるのは、あややだけです
片想いって辛くて、苦しくて、やめられなくて、占いとかしちゃって…全然桃色じゃない。
だけど完全に消えてしまったら、毎日がモノクロになる気がする。
生まれ変わったら魚になりたい 深い深い海の底 あなたと2人で泳ぎたい(NANAにこんなモノローグありましたよね?)
…ってなんでこんな痛い片想いの文章が書けるかと言うと、片想いをこじらせて中二病サブカル女になった過去があるからです。
この本の中で、テルコが選んだ片想いのゆくえも、テルコらしいなと思います。
相手が自分を好きになってくれないからって、相手を好きじゃなくなるなんて、そんなの愛じゃないですよね。
片想いしたことがある人、なんであんな人と付き合ってたんだろうと思う人、恋したい人、したくない人、みんなに読んでもらいたい一冊です。